あの日の朝は、体が重かった。
熱っぽくて、頭も少しぼんやりしている。出勤の準備をしていたけれど、どう考えても仕事になりそうになかった。
「今日は休ませてもらおう」と思い、会社に電話をかけようとした。
iPhoneを耳に当てる。
……けれど、何も聞こえない。
何度も発信ボタンを押したけど、全く繋がる気配がない。
再度かけ直しても同じ。
無音のまま時間だけが流れていく。
正直、焦りました。
会社に電話できない状況を、どう説明すればいいのか。
熱よりもそっちのほうが一瞬で目を覚まさせたくらいです。
とりあえず布団の中からネットを開いて調べながら、いくつかの手順を試してみました。
結果的には、自分で原因を見つけて発信できるようになりましたが、
あのときの「電話がかけられない」感覚は、かなり冷や汗ものでした。
まず結論から言うと、
iPhoneで電話が発信できないときの原因は、通信環境・設定ミス・一時的な不具合のどれかです。
そして、9割以上のケースは自分で直せます。
以下では、私が実際に試して解決した手順を、再現しやすい順番でまとめました。
機内モードや通話設定を見直してみる
発信ができないとき、まず確認すべきは基本的なことから。
焦って再起動やリセットに走る前に、コントロールセンターを開いてみてください。
私も以前、そこに原因がありました。
飛行機のマーク——つまり「機内モード」がオンになっていたのです。

前日の夜、変な人からの通知がうるさくて寝る前に機内モードをオンにしたまま寝落ちしていました。
オフに戻した瞬間、すぐに電波マークが立って、再度電話をかけたらあっさり通話できました。
一瞬で解決。
けれど、焦っていたときには意外と見落とすものです。
他にも確認しておくと良いのは以下の3つ。
モバイル通信がオフになっていないか
設定 → モバイル通信 → 「モバイルデータ通信」をオンに。
通話制限がかかっていないか
設定 → スクリーンタイム → 通信/通話の制限。
Wi-Fi通話をオフにしてみる
弱いWi-Fi下では逆に発信できなくなることがあります。
この3点のどれかで直ることも多いです。
焦らず、まずはシンプルな確認から。
電波状況と通信環境をチェックする
設定を見直しても通話できない場合、通信自体が不安定になっている可能性があります。
アンテナが立っていても、実際には通信が止まっていることもあります。
移動中に対応エリアが変わった瞬間なんかそうですね。
私が試して効果があったのは次の3つ。
Safariでページを開いてみる
開けない場合、通話以前に回線が詰まっています。
通信モードを4Gに固定する
設定 → モバイル通信 → 通信のオプション → 音声通話とデータ → 4Gを選択。5Gが不安定な地域で
は、4G固定のほうが安定します。
Wi-Fiを一度オフにしてみる
Wi-Fiが弱いとき、Wi-Fi通話が誤作動していることがあります。

私の場合、5G表示のまま通信が止まっていて、4Gに切り替えた瞬間に発信できるようになりました。
「アンテナ3本=安定」とは限らない、という現実です。
SIMカードを挿し直して改善するケース
それでもダメな場合は、SIMカードの抜き差しを試してみてください。
原始的に見えますが、これが意外と効果的です。
- 電源を切る
- SIMピンでトレイを開ける
- カードを取り出して軽く拭く
- 再挿入して起動
なぜかSIMカードがきちんと認識されていなかったということです。
このあたりまでは、ほとんどの人が自分で対処できる範囲。
それでも直らないときは、もう少し深い部分を見ていきます。
本体設定のミスや軽い不具合
iPhoneは多機能なぶん、設定が複雑に絡んでいて、
思わぬところで通信がブロックされることがあります。
たとえば、VPNをオンにしたままだと発信ができないことがある。
私も一度、VPNアプリを入れた直後に通話が止まり、切断した瞬間に通話が復旧しました。
また、Bluetoothイヤホンやスピーカーを接続しているときに「音声出力先」が固定され、
相手の声が聞こえないこともあります。
通話中にスピーカーボタンを押して出力を切り替えるだけで直る場合も。
特に最近は、音声通話とデータ通信が統合されているので、一見関係のない設定が影響することもあるようです。
キャリア別(ドコモ・au・楽天)で起こりやすいトラブル
キャリアによっても原因の傾向が異なります。
自分の契約回線に合わせて、次の点を確認してみてください。
ドコモ系(ahamoなど)
“VoLTE”がオフだと通話ができません。
設定 → モバイル通信 → 通信のオプション → VoLTEをオンに。
au/UQモバイル
eSIM移行や機種変更直後に発信できなくなるケース。
設定 → 一般 → 情報 で「キャリア設定アップデート」が出たら必ず更新。
楽天モバイル
パートナー回線との切り替え時にエラーが出ることがあります。
Wi-Fi通話をオフにして試すと安定する場合も。
Apple公式でも、これらの設定更新は定期的に行うよう案内されています。
(参考:Apple公式ヘルプ「iPhoneで通話ができない場合の対処法」)
iOSアップデート後に発生しがちな問題
そしてたまにあるのが、iOSアップデート直後の通話不具合です。
アップデート翌日になぜか発信できなくなったことがありました。
これで通信関連が初期化され、発信が復旧しました。
Appleの公式ヘルプでも、アップデート後に通話できない場合は「ネットワークリセット」を推奨しています。
やってみると分かりますが、数分で終わります。
以下のように少し書き足すと、
「自分の電話が実際に再起動で直った」という流れが自然に伝わります。
トーンもこれまでの記事に合わせています。
iPhoneの再起動ですぐに通話が復活することもある
ある程度試しても直らないときは、再起動を試してみると良いです。
単純に聞こえますが、通話関連の一時的な不具合はこれで直ることが多い。

iPhoneは長時間稼働すると、通信モジュールが軽くハングすることがあります。
Wi-Fiもモバイル通信も問題ないのに、なぜか発信だけ止まる。
そんなとき、電源を切って30秒ほど置き、再度起動。
——それだけで発信が復活することがあります。
実際、私が体調不良で会社に休みの連絡をするときに発信できなくて困った時もこれで解決。
布団の中で何度か設定を見直してもダメだったのに、一度電源を落として入れ直しただけで、すぐに発信できるようになったんです。
正直、あの瞬間はちょっとホッとしました。
(色々試してどうにもならず、昼前に発信できるようになったのはいいけど、寝坊かサボりだと疑われていそう)
最初は半信半疑でしたが、数回助けられました。
特にアップデート直後や長時間モバイルデータを使っていたあとなどは、一時的なバグのようなものが蓄積している印象です。
なかなか電源を切ることもないでしょうし、たまに再起動する方が調子良く使えるかもですね。
電源ボタン+音量ボタンを長押しして「スライドで電源オフ」。
そう覚えておいてもいいくらいですよね。
通話設定をリセットするという選択肢
再起動してもダメな場合は、ネットワーク設定のリセットを検討します。
これは、通話・Wi-Fi・Bluetoothなどの通信系設定を初期状態に戻す方法です。
手順は以下の通りです。
設定 → 一般 → 転送またはiPhoneをリセット
「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」を選択
パスコードを入力して実行
Wi-Fiパスワードなどは消えますが、データや写真が消えることはありません。


この操作を行うと、通信関連の設定ファイルが再構築されます。
キャリアとの接続情報もリフレッシュされるため、「発信できない」「相手の声が聞こえない」といった不具合が解消することが多いです。
私の場合、iOSアップデート後にこれを行うと、発信の遅延が明らかに減りました。
ただし、やりすぎると再設定が面倒なので、あくまで最終手段という位置づけです。
キャリアに問い合わせるときの準備
ここまでやっても発信できない場合、キャリア側のトラブルの可能性もあります。
ただし、サポートに連絡する前に準備しておくと、やり取りがスムーズです。
- iPhoneの型番(設定 → 一般 → 情報で確認)
- iOSバージョン
- SIMの種類(物理SIM/eSIM)
- 発信できなかった日時・場所
- 他のSIMカードで試したかどうか
これらをまとめておくと、サポート側が即座に状況を把握してくれます。
私自身は問い合わせまではしていませんが、
もし再起動やリセットでも直らない場合は、早めにキャリアへ相談するのが確実だと思います。
正直、ユーザー側から見えない領域の問題も多いので、
「自分のスマホだけじゃないかも」と思ったら早めに連絡するのが正解です。
故障の可能性を見極める目安
発信も受信もまったくできず、他のSIMカードでも同じ現象が出る場合は、
本体の通信モジュール故障の可能性があります。
特に、以下の症状がある場合は要注意です。
「検索中」または「圏外」がずっと表示されたまま
Wi-Fi・Bluetoothのオンオフができない
再起動しても状態が変わらない
この場合、ソフトウェアではなくハードウェアの問題の可能性が高いです。
Apple Storeや正規サービスプロバイダに持ち込み、診断を受けた方が早い。
Apple公式サポートの案内では、まずは設定・ネットワーク・ソフトウェアの更新を確認するよう推奨されています。
それでも改善しない場合は、Apple Storeや正規サービスプロバイダで診断を受けるのが確実です。
公式ページには「ハードウェア故障」という言葉は明記されていませんが、通話や通信がまったく復旧しない場合はユーザー側でできる範囲を超えていると考えてよいと思います。
自分で悩み続けるよりも、専門スタッフに見てもらったほうが早く安心できる。
そんな場面が、iPhoneには時々あります。
Appleサポートへ相談する流れ
もしキャリア側でも解決しない場合は、Appleサポートに直接相談するのが確実です。
ただ正直、公式サイト(support.apple.com)からの案内はやや分かりづらい。
選択肢が多く、同じページを何度も行き来することになります。
私が見た限りでは、Appleサポートアプリを使うほうが圧倒的に早いです。
アプリを開くと、「サポートを受ける」画面からiPhoneを選ぶだけで、「通話できない」「発信できない」などの項目が一覧で表示されます。

そこからチャット・電話・持ち込み修理のいずれかを選択できます。
Apple IDでログインしておけば、端末のシリアル番号や保証状況も自動で読み込まれます。

公式サイトよりも手続きが一画面で完結する点が便利です。
また、アプリ経由のチャットではリモート診断(Remote Diagnostics)を案内されることがあります。
これはApple側が通信設定やハードウェアログを一時的にチェックしてくれる機能で、
通話の不具合が続いている場合、設定や回線を何度見直しても直らないなら、このアプリから相談するのが一番ストレスが少ないと思います。
通話アプリを併用してトラブルを避ける
どうしても電話が不安定なときは、
LINE通話やFaceTimeオーディオなどの代替アプリを活用するのも手です。
音声品質は通信環境に左右されますが、
キャリア回線よりもWi-Fiベースの通話のほうが安定することもあります。
特に在宅勤務中やカフェなどでは、FaceTimeオーディオが最も遅延が少なく感じました。
もし会社への連絡などで「どうしても電話が通らない」場合の保険として、一時的にこうした手段を使うのも現実的です。
最悪、上司のLINEを知らなくても同じ職場の同僚なら状況を伝えてくれるかもしれないので。
通信環境を安定させる小さな設定
通話の安定には、環境と設定の両方が関係します。
ちょっとした意識だけで、トラブルを防げることもあります。
自動アップデートを“夜間のみ”に設定
アップデートで通話が止まるリスクを避ける。
VPNを常時オンにしない
通信経路が増えることで、音声通話の遅延が起きる場合がある。
Wi-Fiアシストをオンにする
Wi-Fiが弱いとき、自動でモバイル通信に切り替えてくれる。
これらを意識しておくだけでも、発信できないという状況に遭遇する確率はかなり減ります。
まとめ
あの朝のように、体調が悪くて休みの連絡をしたいときに限って、電話がかけられない。
そんなときの焦りは、経験した人にしか分からないと思います。
でも実際のところ、iPhoneが通話できない原因の多くはシンプルなものです。
機内モード、通信設定、SIMカード、再起動。
順番に確認すれば、ほとんどは自分で解決できます。
そして何より大切なのは、「焦らないこと」。
通話が止まるとつい不安になりますが、落ち着いて一つずつ試すと必ず道が見えてきます。
体調の悪い朝に、余計なトラブルでさらに疲れるのは避けたいところです。
もし同じような状況に出くわしたら、このページを思い出して、静かに一つずつ試してみてください。
それでまた、普通に電話がつながる日常に戻れるはずです。

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