iPhoneやMacでファイルを送りたいとき、AirDropを開いても肝心の相手が見えないことって、案外多いですよね。
自分もこれまで何度も現場で焦ったことがあります。
特に、撮影終わりのタイミングで素材をすぐに渡さなきゃいけない場面。
そんな時に限って
「えっ?出てこない?」
となって、ヒヤッとした経験があります。
でも、冷静に振り返ってみると、AirDropが使えない原因のほとんどは、故障でも不具合でもなくて、ちょっとした設定ミスや環境のせいだったりします。
むしろ、仕組みさえわかっていれば、慌てず自分でどうにかできることばかりです。
相手が見えないとき、まず距離じゃなくて設定を疑ってみる
AirDropの通信範囲って、Appleの案内によると最大で9メートル程度なんだそうです。
つまり、普通の部屋の中で「届かない」「相手が出てこない」という場合、距離が問題になっていることはあまりありません。
実際、Appleのサポートにも、Wi-FiとBluetoothが両方オンになっていること、受信設定が適切かどうかを確認するよう書かれています。
経験的にも、AirDropが見えない理由って、たいていこのどちらかです。
基本的な通信設定を見直すだけで直るケースはかなり多い
まず確認しておきたいのは、BluetoothとWi-Fiの両方がオンになっているかどうか。
どちらかがオフになっていると、近くに相手がいてもAirDropは何も反応しません。
以前、自分でもうっかりWi-Fiを切っていて、「なんで出てこないんだろう」と5分ほど悩んでしまったことがありました。
しかも、Wi-Fiルーターに接続していなくても、Wi-Fi機能そのものがオフになっていたらAirDropは機能しないという盲点もあります。
チェック方法はシンプルで、コントロールセンターを開いて、Wi-FiとBluetoothのアイコンが点灯しているか確認するだけ。
どちらかがオフになっていたら、タップしてオンにするだけでOKです。

これだけで直るケース、実はかなりあります。
テザリングやVPNが通信を邪魔していることもある
「Wi-FiもBluetoothもオンにしてるのに、まだ出てこない…」というときは、テザリング(インターネット共有)やVPNが影響していないかを疑ってみてください。
AirDropの仕組みはちょっと特殊で、「ピアツーピアWi-Fi」という通信方式を使っています。

これが他のネット接続と干渉することがあって、とくにテザリング中は通信がうまくいかなくなることがあるんです。
出張先でMacのネットをiPhone経由で共有していたとき、自分のAirDropがまったく反応しなくなった経験がありました。
原因は、まさにこのテザリング。オフにしたら一瞬で相手が表示されました。
また、VPNアプリを常時オンにしている場合も、AirDropに支障が出ることがあります。
VPNがAirDropの通信経路を遮ってしまうんですね。
Appleの公式ヘルプでも、VPN利用中はAirDropが使えない可能性があると明言されています。
集中モードが邪魔をしていることもある
AirDropが相手に届かない原因として、見落とされやすいのが集中モードです。
相手のデバイスがこの状態になっていると、通信を一時的に抑えてしまうため、近くにいても検出されません。

もう一台のiPhoneがいつの間にかずっと集中モードになっていて、AirDropにまったく姿を見せなかったことがあります。
集中モードを解除した瞬間、何事もなかったようにリストへ現れました。
iPhoneの場合、ロック画面の左上に小さなアイコンが表示されるので、それを目安に確認できます。
相手が集中モードにしている可能性があるなら、一度オフにしてもらうのが手っ取り早いです。
連絡先情報の食い違いが原因になることもある
AirDropの受信設定を「連絡先のみ」にしている場合、相手のApple IDに紐づいたメールアドレスや電話番号が、こちらの連絡先に登録されている必要があります。
この情報に少しズレがあるだけで、相手が表示されなくなるのです。
よくあるのが、電話番号で友人を登録しているものの、実際のApple IDはメールアドレスだったというケース。
また、家族でApple IDを共用していて、どの端末が誰のものか曖昧になっている状況もトラブルの元になります。
相手の連絡先が古いままの可能性もあるため、一度お互いの情報を見直してみると解決することがあります。
相手側の設定も必ず確認する
AirDropは自分だけの設定が正しければ動く、という単純な仕組みではありません。
双方が条件を満たして初めて機能するので、自分側に問題がなくても、相手の設定が原因で表示されないことがあります。
受信設定が間違っている場合
AirDropの受信設定には次の3種類があります。
- 受信しない
- 連絡先のみ
- すべての人(または 10分間のみ)
iOS 16以降は「すべての人」を常時オンにできなくなり、10分が経つと自動で「連絡先のみ」に戻ります。
この仕様を知らずに、送る直前に相手が消えてしまう…ということが自分も何度かありました。

相手が見えないときは、いったん
に切り替えてもらうのが最も早い方法です。
Mac側の非公開設定に注意
Macを使っている相手の場合、「このMacを検出可能にする」の設定が誰とも共有しないになっていると、iPhoneからは一切表示されません。
FinderでAirDropを開いたときに、画面下の設定で変更できます。

設定からも変更可能です。

古いmacOSを使っている場合も、最新iOSのiPhoneとの相性で不安定になることがあります。
うまくいかないときは、一度通信をリセットしてみる
AirDropが相手をうまく認識してくれないとき、設定は全部正しいはずなのに…
ということもありますよね。
そんな時は、いったん通信まわりをまっさらにリセットしてあげると、意外とすんなり動き出すことがあります。
Wi-FiとBluetoothを一度オフ→再オンする
最初に試してほしいのがこれです。
自分も撮影の現場やカフェなどで送信がうまくいかないときに真っ先にやっている方法です。
- コントロールセンターを開く
- Wi-FiとBluetoothをいったんオフにする
- 数秒待ってから再びオンにする

これだけの動作でも、電波の混線や通信の引っかかりがリセットされて、相手がちゃんと見えるようになることがあります。
とくに、他のデバイスと接続したままになっていた場合は、この操作でクリアされやすいです。
機内モードを活用して再接続
Wi-FiやBluetoothを切り替えても効果がないときは、次に機内モードを使います。
これはiPhoneの通信機能全体を一時的に停止する方法で、いわば「通信だけのリブート」みたいなもの。
手順としては
- 機内モードをオン
- 5秒ほど待つ
- 再びオフにする

これでAirDropの動作が安定したこと、自分も何度もあります。すごく簡単ですが、意外と強力な方法です。
ネットワーク設定をリセットする
ここまでの操作でもダメな場合は、やや踏み込んだ対処が必要になります。
- 設定
- 一般
- 転送またはiPhoneをリセット
- リセット
- ネットワーク設定をリセット


これを実行すると、Wi-Fiのパスワードなどは初期化されますが、AirDropや通信に関する設定も初期状態に戻されます。
使っていない古いVPNのプロファイルや、一部の不安定な設定が原因で通信がうまくいかないときには効果的です。
とくに、長くiOSアップデートを重ねてきたデバイスや、複数のプロファイルを設定している場合は、こうしたリセットが効きやすいです。
ペアリング履歴の整理も地味に効く
AirDropではBluetoothの情報を使って相手を見つけているため、接続履歴が多すぎると精度が下がることもあります。
- 設定
- Bluetooth
- 不要なデバイスを「このデバイスの登録を解除」

AirPodsや外部スピーカー、以前使ったMacなどがずらりと並んでいる人は、一度リストを整理してみるといいかもしれません。
それでも表示されないなら、無理にこだわらず他の方法を使うのも手
AirDropが便利なのは間違いないんですが、どうやっても相手が出てこないこともあります。
自分も撮影現場や屋外の取材中などで、どうしても通信が安定せず、あきらめたことが何度かありました。
そういうときは、粘るよりも別の手段に切り替えた方がスムーズだったりします。
実際、Apple製品には他にも使い勝手の良い共有方法がいくつかあります。
写真やファイルを送りたいだけなら「iCloudリンク」が便利
この方法なら、AirDropのようにリアルタイムで近くにいる必要もない、通信環境にも左右されにくいのが魅力。
やり方は簡単で、
- 写真アプリを開く
- 送りたい写真を選ぶ
- 共有メニューから「リンクをコピー」
- メールやLINEでそのリンクを相手に送信

相手はそのリンクを開くだけで、写真をブラウザ経由で受け取れます。
大きいサイズのファイルもストレスなく送ることができて便利。
ケーブル接続で直接転送するという昔ながらの方法も確実
もし手元にMacがあるなら、iPhoneとUSBケーブルでつないで直接転送するのもひとつの方法です。
- Finder(またはiTunes)を開く
- iPhoneを接続
- ファイルや写真をドラッグ&ドロップでコピー
このやり方は転送がとても安定していて、容量の大きなデータでも問題ありません。
ケーブルさえあれば、AirDropに頼らず確実に渡せるので、持っておくと安心です。
LINEやGoogle Driveなど、他の共有アプリも十分使える
AirDropはApple製品同士でしか使えませんが、データを渡すという目的なら、他の方法でもまったく問題ないことも多いです。
- LINEやメッセージアプリを使う
- Gmailで添付ファイルとして送る
- Google DriveやDropboxにアップロードしてリンクを共有する
とくにGoogle Driveは相手がAndroidユーザーでも受け取れるので、環境を選ばないという点でかなり便利です。
AirDropがうまくいかないからといって、「もう送れない」と諦める必要はありません。
AirDropがうまくいかないときに大事なことまとめ
AirDropが「近くにいるはずなのに見えない」とか「送れそうで送れない」となると、ちょっとしたストレスになりますよね。
でも、そこで「壊れた」と思ってしまうのはちょっと早いかもしれません。
私自身、何度も
と疑った経験があるんですが、よくよく見てみると設定や状況のちょっとしたズレが原因だったというパターンがほとんどでした。
一番多い原因は設定まわり
AirDropが使えないとき、距離よりも見直すべきはWi-FiやBluetoothのオンオフ、テザリング、集中モードの有無。
あとは相手の受信設定が「連絡先のみ」になっていて表示されないとか、自分側の連絡先情報が古いとか、地味だけど見落としやすい点に原因があることが多いです。
特に、iOS 16以降は10分間だけ全員に公開するという仕様になっているので、ちょっと時間が経つだけで再度設定が必要になります。
これを知らずに「また出てこない…」と焦ってしまう人、多いんじゃないでしょうか。
どうしてもダメなら「こだわらず別の手段で」
実際のところ、AirDropって完璧なツールではありません。
とても便利だけど、環境に左右されやすいというクセがある。
だから、うまくいかないときに無理にこだわるより、iCloudリンクやケーブル転送、Google Driveなど別の選択肢を思い出すのも大事です。
「目的は何か?」をちゃんと見失わずに、柔軟に切り替えていけばいいだけの話ですしね。
落ち着いて確認すれば、大抵のことは解決できる
AirDropに限らず、通信まわりのトラブルって「焦って何度も同じことを繰り返す」と泥沼にはまりがちです。
も実は、ひとつずつ状況を整理していけば、ちゃんと理由が見つかることが多いです。
だから、焦らずに順番に
- Wi-FiとBluetoothがオンか
- テザリング・VPNがオフか
- 受信設定が適切か
- 相手の集中モードやスリープ状態
- 古いOSや非表示設定になっていないか
これらをチェックしていくだけで、
「あ、ここだったんだ」という落としどころが見つかるはず。
おわりに
私も最初はAirDropでよくつまづいていて、
「え、なんで? さっきまで使えてたのに…」って何度も思ったんですが、いまではちょっとした確認でほぼ解決できるようになりました。
AirDropって、ちゃんと環境が整っていればものすごく快適なツールなんですよね。
でも逆に、少しでも条件がズレるとピタッと止まってしまう。
その繊細さを理解しておけば、使いこなすのはそこまで難しくないと思っています。
この記事が、あなたの見えないストレスをちょっとでも和らげるヒントになれば嬉しいです。

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